lonelylika’s diary

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ

アメリカ  「トランプ王」の岩盤支持層に変化が起きているのか 注目されるテネシー州下院補選

テネシー州メンフィスの治安対策強化(州兵派遣など)の覚書に署名したトランプ米大統領=915日、ホワイトハウス【916日 産経】)

 

【トランプ支持率低下を示す世論調査等】

周知のようにアメリカでは、このところ主に物価高・生活苦といった経済問題を理由とした政権批判から、トランプ大統領の支持率が低下しているとの報道がなされています。

 

****トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追****

<一連の世論調査で、ドナルド・トランプ大統領と共和党の苦境が鮮明になった>

 

一連の最新世論調査は、ドナルド・トランプ大統領と共和党にとって厳しい状況を浮き彫りにした。トランプの支持率は2期目の最低水準に落ち込み、「MAGAアメリカを再び偉大に)」を掲げる支持層の結束にも綻びが見える。

 

ヒスパニック層の支持も低下し、民主党はかつての保守地盤で接戦を演じている。主要な全国調査すべてで、トランプは不支持が支持を上回る状態、つまり「マイナス圏」に沈んでいる。

 

こうした動きは、連邦議会の勢力図を塗り替え、2028年以降の共和党の戦略にも影響を与えかねない。

 

注目すべき5つの調査

◾️ポリティコ調査:分裂するトランプ支持層

米政治専門メディア「ポリティコ」による調査では、2024年にトランプに投票した有権者のうち3分の1以上が、自身を「MAGA共和党員」と見なしていないことが明らかになった。

 

彼らは下院・地方選における共和党候補をあまり支持しておらず、経済や生活費に関するトランプの対応にも批判的だ。経済政策に関して共和党を「信頼している」と答えた割合は、MAGA支持層では88%、その他のトランプ支持層では63%にとどまった。

 

◾️ギャラップ調査:支持率が新たな最低水準に

世論調査機関ギャラップの調査では、トランプの2期目の支持率が36%まで低下し、不支持は60%に達した。共和党支持者の間でも支持率は84%と前回比で7ポイント減少。無党派層では25%まで落ち込んでいる。

評価がプラスとなったのは「治安」分野のみで、経済、移民、連邦予算に対する党内の信頼も低下している。

 

◾️エマーソン大学/ザ・ヒル調査:保守地盤テネシー州で接戦

米エマーソン大学と政治専門メディア「ザ・ヒル」による共同調査では、2024年にトランプが22ポイント差で制したテネシー州7選挙区の下院選が、現在では「統計上の誤差範囲内」の接戦となっている。

 

民主党候補アフティン・ベーンは、共和党のマット・ヴァン・エップスにわずか2ポイント差まで迫っており、情勢は拮抗している。

 

◾️ピュー・リサーチ・センター調査:ヒスパニック層の不満が顕在化

ピュー・リサーチ・センターによる最近の調査では、ヒスパニック系成人の3分の2が、トランプの移民政策に「不支持」を表明。さらに61%が、彼の経済政策で「生活が悪化した」と回答している。

 

2024年にはトランプはヒスパニック層の一部からの支持を伸ばしたが、支持は大きく後退しており、現在好意的に見ていると答えた割合は25%と、2期目開始前の44%から大幅に減少している。

◾️バロトピーディア調査:全国的に不支持が優勢

選挙情報専門サイト「バロトピーディア」の調査インデックスは、ユーガブ、CBSニュース、フォックス・ニュース、ロイター、AP通信など主要メディアの全国世論調査を集約したもの。ここでも、トランプの平均支持率は42%にとどまり、不支持は55%で、マイナス圏に沈んでいる。

 

◾️テネシー州7選挙区の民主党候補ベーンは、CNNの取材でこう語った。

「仮に数ポイント差に迫るか、ひっくり返すことができれば、ワシントンの共和党に対し、今彼らが掲げている政策は有権者に歓迎されていないことを明確に示せる」(中略)

 

連邦議会の主導権がかかる2026年の中間選挙は、次の大統領選の行方を占う重要な試金石となる。加えて、122日には超保守地盤のテネシー州の特別選挙が行われる。民主党共和党議席を奪えるかどうかが注目されており、全米の政治潮流を測る即時的な指標となる。

本記事で引用した調査は以下の通り。いずれも202511月中旬〜下旬にかけて実施され、回答者数は各社1,0001,500人程度、誤差範囲はいずれも±3%前後とされている。【121日 Newsweek

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【NY市長選などの3連敗で鳴り響いた「トランプ王」への警告音】

私見ですが、私はトランプ大統領には批判的で、その支持率低下は歓迎すべきことですが、経済問題が主な理由という現状は気に入りません。

 

トランプ関税への物価の影響といったトランプ固有の問題もありますが、経済運営は誰にとっても難しい問題です。

そこを理由にしている限り、経済が自律改善すれば再びトランプ氏が評価されることにも。

 

トランプ大統領が否定されるべきは、その民主主義や人権に関する無関心、「王」のような勝手なふるまい、ウソを平気でつくような政治、世界各国に対する傍若無人な対応・・・そういった理由でしょう。

 

****トランプ1年、深まる分断 ニューヨークで消えた「王の余裕」****

(中略)

鳴り響いた「トランプ王」への警告音

「トランプの名前が投票用紙に載っていなかったことが今夜の選挙の敗因だそうだ」――ホワイトハウス奪還の成功から1年たった2025114日の夜、トランプ米大統領はこんな「言い訳」を自身のSNSに書き込みました。

 

この日、全米最大の都市ニューヨークの市長選挙で民主社会主義者を名乗る34歳のゾーラン・マムダニ氏が当選しました。さらに東部ニュージャージー州、南部バージニア州の知事選では民主党の中道派候補が共和党候補を引き離して勝利を収めました。

 

もともと民主党を支えるリベラル層が強い地域ですが、それでも無視できないほどトランプ共和党政権に対して鳴り響いた「警告音」は大きかったといえます。だからこそ、トランプ氏は真っ先に「俺のせいで負けたわけじゃないぞ」と言いたかったのです。

 

とはいえ「責任はない」は通りません。なぜなら史上最長を記録する政府閉鎖に突入するなか、ホワイトハウスの東棟をいきなり取り壊し、総工費約3億ドル(約450億円)といわれる大宴会場(ボールルーム)の建設にとりかかったのはトランプ氏自身ですから。首都ワシントンに凱旋門をつくる計画もぶち上げました。

 

(中略)トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室に舞い戻った初日から、強大な権力を無造作に振るいました。202116日の連邦議会占拠事件で罪に問われた人たちに恩赦や減刑を与え、「人質」を「解放する」と言い放ったのです。

 

いまから振り返れば、まさに「序章」にすぎませんでした。その後もトランプ氏はまるで絶対権力を握った王のように振る舞っています。『信望なき大国』を著したときの危惧がそのまま現実になりました。暴君ぶりは当時の想定を上回っているとも感じています。

 

規範を壊す「王」、広がる抵抗のうねり

米国内では不法移民の取り締まりを理由にロサンゼルスやシカゴ、ワシントンなど民主党の地盤である大都市に州兵を派遣し、街の「安全」を力ずくで演出していきました。(中略)

 

トランプ政権は国防総省も「戦争省」に改称しました。米軍を動員し、中南米の麻薬組織(カルテル)との関係が疑われる公海上の「麻薬運搬船」を相次いで攻撃しています。

 

地政学上の競争相手である中国だけでなく、同盟国である日本や韓国を含めて関税を武器に貿易戦争を仕掛け、要求を半ばむりやりのませるディール外交を繰り広げています。新たな経済秩序が形作られつつあるのは事実ですが、権力者が恣意的に方針をころころ変える政策運営は、世界の金融市場を揺るがす不安要素であり続けています。

 

「反トランプ」のうねりも起きています。「王様は要らない」という抗議活動が全国に広がったのです。ところがトランプ氏は「民主党にカネで雇われたデモ」とどこ吹く風です。

 

その余裕の理由は2つあります。一つは「MAGA(米国を再び偉大に)」と称する自身の岩盤支持層がいまなお固い結束を保っていることです。

 

もう一つは政敵である民主党の迷走です。24年大統領選での敗北以降、民主党は進むべき方向を見失い、いわば「自分探し」を続ける苦境に陥っています。

 

米リアル・クリア・ポリティクスの各種世論調査の集計によると、114日時点でトランプ氏の不支持率は54.4%と支持率を11ポイント上回りました。4月下旬の不支持率は50%強だったので、岩盤支持層の外で政権に対する不満がたまっているのは確かです。

 

「反トランプ」の機運を民主党がしっかり受け止めることができているなら、さすがの「王」も焦るでしょう。ところが現実には「トランプ不支持=民主党支持」の計算式はなかなか成り立ちません。単に政治への諦めを生んで終わってしまう雰囲気が濃いのです。トランプ氏が余裕を保っている理由だといえます。

 

一瞬消えた「王」の余裕

そんな余裕の表情を一瞬でも引きはがしたのが、大統領選の勝利から1年後に実施された各地での選挙でした。象徴はニューヨーク市長選です。当選したマムダニ氏はウガンダで生まれ、後に米国籍を得ました。NY初のイスラム教徒の市長でもあります。

 

同じニューヨーク出身でも、白人キリスト教徒を支持基盤の中核とする不動産業者トランプ氏とは対照的です。さらにマムダニ氏は「民主社会主義者」を公言しています。(中略)

 

マムダニ氏は「トランプと億万長者の寡頭政治」を敵視し、トランプ氏は「過激な共産主義者」と罵ります。米社会に根差す左傾化への警戒感を考えると、26中間選挙28年大統領選で「米国流社会主義」が主役になるとは想像しにくいのは確かです。ですが10年前、MAGAが国政を左右する現状を予測した人はどれだけいたでしょうか。

 

米政治のここ10年のメインテーマは結局のところ、「トランプは是か非か」でした。分断が深まる米政治の表舞台で、トランプ氏から主役を奪えるだけの新たな役者を見いだせるのか。この問いはこれからも世界を巻き込みます。[日経BOOKプラス20251117日付の記事を転載]【1127日 大越 匡洋氏 日経ビジネス

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【「トランプ王」の岩盤支持層に変化が起きているのかどうかを示すテネシー州7区連邦下院特別選挙 結果は中間選挙の行方を占う】

「王」の余裕の表情を一瞬でも引きはがしたのが、ニューヨーク市長選などの3連敗でしたが、「王」を支える岩盤支持層の動向を探るうえで非常に興味深いのが前出【121日 Newsweek】記事にもある、122日に投開票が行われるテネシー州7選挙区です。(日本とは時差が15時間ありますので、結果が分かるのは日本時間では3日の午後遅く~夜でしょうか)

 

NY市長選のような民主党が強い地域ではなく、「王」の岩盤支持地域で行われるこの補欠選挙で、万一民主党候補に逆転されるなら、そこまでいかなくても接戦に追い込まれるなら、その支持層の「陰り」を示すことになり、来年秋の中間選挙の与党勝利を危うくします。その結果は「王」のレームダック・死に体化であり、次期大統領選挙での変化の兆しです。

 

そういう位置づけからすれば、このテネシー州という日本とはほとんど縁のない米南部での補欠選挙は、今後の日本を含めた世界の動向にも影響する選挙のように思えます。

 

****米国テネシー州特別選挙で民主党候補が追い上げ接戦に、世論調査****

米国テネシー州の連邦下院(第7区)特別選挙が122日に行われるが、直前の世論調査では、共和党民主党の支持率が2ポイント差となり接戦になるとみられる。

 

マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学は1126日、テネシー州連邦下院第7区の特別選挙に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、投票を想定した問いに対して、共和党候補のマット・バン・エップス氏(同州一般サービス局長)の支持率が48%、民主党候補のアフティン・ベーン氏(州下院議員)が46%となった。10月に実施された各種世論調査(注2)では、バン・エップス氏が8ポイントリードしていた。

 

同大学世論調査のエグゼクティブディレクターのスペンサー・キンボール氏は、この特別選挙は、実際に投票する人口グループにかかっているとし、「期日前投票をする人ではベーン氏の支持率が56%とバン・エップス氏(42%)を上回り、投票日に投票する予定の人では、バン・エップス氏が51%とベーン氏(39%)を上回る」と述べた。

 

最大の関心事としては、経済が最大の38%で、住宅価格(15%)、医療(13%)、民主主義への脅威(13%)が続いた。

 

9月のバージニア州アリゾナ州の特別選挙では民主党候補が勝利し、11月には2つの州知事選とニューヨーク市の市長選でも経済問題に焦点を当てた民主党候補が勝利した。

 

ベーン氏は、住宅価格高騰を選挙運動の焦点とし、共和党の歳出法案やドナルド・トランプ大統領の関税政策を強く批判している。また、南部では「十分な投資が行われず、見過ごされてきた」とし、全米がこの特別選挙に注目していることを歓迎している(CNN1124日付)。(中略)

 

テネシー大学ノックスビル校のウィリアム・ライオンズ政治学名誉教授は、「連邦議会が均衡しているため(注3)、どの選挙も極めて重要になる。各政党はテネシー州7区のような僅差の選挙区に引き続き多額の資金を投入し、全国的な影響を及ぼすような大変動を起こそうと、あるいは阻止しようと努めるだろう」と述べた(「ニューズウィーク」誌1124日付)。【1127日 JETRO

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下院での各政党の議席数は「共和党219民主党213、空席3」ですが、テネシー州7区連邦下院特別選挙の結果は単にこの議席差が更に縮まるという以上に、トランプ岩盤支持層に変化が起きているのかどうかという点で注目されます。

 

****テネシー州7区連邦下院特別選挙が示すもの****

なぜ「接戦」になっているか ― トランプ人気の低下+民主党の攻勢

 

この変化の背景には、いくつかの重要な要因がある。

経済、住宅高騰、インフレ、医療費など「生活実感」の問題が、有権者の関心のトップ。今回の特別選挙でも、この「身近な経済・生活の問題」が争点になっており、民主党候補の Behn はその点を強調している。

 

一方で、トランプ支持者=共和党地盤有権者の「投票率維持」がかつてより難しくなっている。無党派層や独立系の有権者の間で、トランプ氏および共和党全体への支持感情が揺らぎつつある、という分析がある。

 

この特別選挙に対し、共和党は「勝って当然」という従来の見込みを捨て、必死に資金投入と動員を強めている。たとえば、共和系超党派PACによる資金投入、トランプ氏自身による電話集会など、かなり力を入れている。

 

同時に、民主党もこの選挙に注目。資金と人的投入を増やし、「若年層」「住宅問題に苦しむ人」「物価高に敏感な中間層」などにアピールを強めてきている。

 

要するに、この選挙区で「共和=安泰」はもはや通用せず、トランプのかつての強みだけでは勝ち切れない、という構図が浮かび上がっている。

 

政党全体・トランプへの波及懸念

今回の特別選挙が持つ意味は、この1議席の獲得だけにとどまらない ―――

 

仮に共和党候補 Van Epps が辛勝、あるいは敗北すれば、「トランプ支持基盤」すら揺らいでいる、という明確なサインになる。特に無党派層・若年層での離反は、今後の選挙で共和党にとって深刻な警告となる可能性。

 

また、この選挙は来年の下院選(2026中間選挙)の前哨戦とみなされており、他の「安全区」とされる地区にも油断できないというムードを生み出す可能性がある

 

逆に、民主党が善戦すれば、彼らにとっては勢いになる。生活実感や物価高、経済不安に敏感な層を取り込める余地があることが示され、新たな競争区の拡大につながりうる。

 

トランプ本人および共和党見せ場危機感

トランプ氏自身がこの選挙を「自分たちの支持基盤の強さの象徴」と位置付け、電話集会など直接関与。過去のような余裕の勝利を求める姿勢を見せている。

 

共和党は、 この地区が安全とはいえないと判断し、かなりの資金を投じて防衛ラインを固める。だが、その大盤振る舞いそのものが「かつての揺るぎない強さを失いつつある」という裏返しにもなっている。

 

民主党側も、最近の選挙で見せた勝つ余地を拡大するべく、この特別選挙を試金石と位置づけている。特に若年層や生活不安層の取り込みを重視、党としてもこの地区で善戦すれば中間選挙戦略に弾みとなる。

 

結論 — 結果次第で「安心できない赤地盤」の象徴に

つまり、かつて「共和・トランプ圧勝」の象徴だったこの地区の特別選挙が、今や「共和党にとっての危機」になっている。

 

122日の投票結果次第では――共和党・トランプにとっては支持基盤の弱さが露呈、党勢全体の不安材料に

民主党にとっては、かつて手を出さなかったような地区でも勝負になるという確信、2026中間選挙への大きな足がかりになる可能性がある。【ChatGPT】

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