
【中国製ワクチンで高接種率 それでも感染拡大 首相指示で感染者を隠蔽】
フン・セン首相のもとで強権的な統治が続くカンボジアの新型コロナに関する話題。
一方、あまり知られていませんが、実はカンボジアは人口の8割以上が少なくとも1回の接種を受けているというように、ワクチン接種が非常に進んでいる国です。3回目の追加接種や子どもへの接種も始まっています。
そのワクチンは、当然のごとく、緊密な関係にある中国からのもの。
中国紙・環球時報(電子版)は8日、豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)の7日付報道を引用する形で、「カンボジアのプノンペンが中国の助けのおかげで世界でワクチン接種率が最高の首都に」とする記事を掲載した。
記事によると、カンボジアのフン・セン首相は5月の地域フォーラムで、新型コロナ対応における中国への依存について鋭く質問され、「中国に助けを頼まずに、誰に助けを求めるのか」と答えた。
4カ月後、フン・セン首相の率直な北京への傾倒は、ウイルスによって引き起こされた苦難に少なくとも一つの利点をもたらした。
カンボジアは、中国の「ワクチン外交」の主な受益者の一つだ。同国の保健当局によると、1600万人の人口のうち、成人の95%を含む70%以上が1回目のワクチン接種を終え、2回目の接種を終えた割合は55%に近づいている。
カンボジアを拠点とする投資顧問会社、メコン戦略パートナーによると、約200万人が住むプノンペンは現在、1人当たりで世界で最もワクチン接種を受けている首都でもある。
記事によると、カンボジアのフン・セン首相は5月の地域フォーラムで、新型コロナ対応における中国への依存について鋭く質問され、「中国に助けを頼まずに、誰に助けを求めるのか」と答えた。
4カ月後、フン・セン首相の率直な北京への傾倒は、ウイルスによって引き起こされた苦難に少なくとも一つの利点をもたらした。
カンボジアは、中国の「ワクチン外交」の主な受益者の一つだ。同国の保健当局によると、1600万人の人口のうち、成人の95%を含む70%以上が1回目のワクチン接種を終え、2回目の接種を終えた割合は55%に近づいている。
カンボジアを拠点とする投資顧問会社、メコン戦略パートナーによると、約200万人が住むプノンペンは現在、1人当たりで世界で最もワクチン接種を受けている首都でもある。
同国のワクチン接種計画は予定より8カ月早く始まり、近隣諸国より1年も早く完了するとみられる。同国が受け取ったワクチン3000万回分のうち2700万回分以上が中国から来ている。
そのほとんどが寄贈されたものではなく購入したものだが、ワクチンの供給が深刻な課題となる中で、列の先頭にいることはとても重要だ。
メコン戦略パートナーのパートナーであるオーストラリアの元銀行家、スティーブン・ヒギンズ氏は、「カンボジアでもデルタ株が確認されたが、ほとんどの人がワクチン接種済みなので、猛威を振るうというところまでは至っていない」と述べている。【9月9日 レコードチャイナ】
メコン戦略パートナーのパートナーであるオーストラリアの元銀行家、スティーブン・ヒギンズ氏は、「カンボジアでもデルタ株が確認されたが、ほとんどの人がワクチン接種済みなので、猛威を振るうというところまでは至っていない」と述べている。【9月9日 レコードチャイナ】
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上記記事では、「カンボジアでもデルタ株が確認されたが、ほとんどの人がワクチン接種済みなので、猛威を振るうというところまでは至っていない」とのことでしたが、他の国々同様に、やはりデルタ株の感染拡大が起こったようです。
しかし、そのことはフン・セン首相のお気に召さなかったようです。
カンボジアで新型コロナウイルスの新規感染者が1日、前日から8割近く減った。9月以降の増加傾向が急に変化した。無症状の人を検査対象から外すよう、フン・セン首相が指示したとされる音声データが流出し、その影響だとみられている。同国では感染者を巡るデータが実態を反映しなくなった可能性がある。
カンボジア保健省によると、1日の新規感染者数は232人で、前日から76%減った。これは結果が出るまである程度の時間が必要なPCR検査で検出された。検査から数十分で結果が判明する抗原検査の陽性例は含まれていないとみられる。
新規感染者数の急減は、フン・セン氏が複数の政府高官に対し、検査対象を症状がある人に限るよう指示したとみられる音声データが明らかになった後で起きた。地元メディアのVODは、こうした指示があったことを3人の政府職員に確認した。
独自に入手した音声データは9月29日の録音だとされる。フン・セン氏とみられる人物が部下に対し(無症状者への)積極的な検査をやめ、症状のある人が検査を受けられる場所を設けるよう指示。当局が無症状の陽性者を無理に探し出していると不満を示していた。
この人物は「各州の村などでは新型コロナの迅速検査をやめるように」と話し、迅速検査は所定の場所でだけ実施するよう求めた。
新しい検査体制が経済再開につながると指摘したうえで「以前のようにやる必要はない」と言明した。そのうえで、こうした指示を「ほかの人に漏らさないように」と念押ししていた。(後略)【10月6日 日経】
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当然ながら、無症状感染者を野放しにすることで感染拡大の温床となることは明らかで、フン・セン首相の指示は賢明なものではありませんが、とにかく、フン・セン首相の意向に逆らうことは許されない国ですから・・・・
海外旅行再開になっても、カンボジアは控えた方がよさそうです。
【競技場、ダムも ただし問題も】
ワクチンだけでなく、いろんな面で中国からの供与を受けていますが、東南アジア競技大会のメイン会場となる競技場もそのひとつ。
カンボジアの首都プノンペンで12日、中国が1億5000万ドル(約160億円)を支援し建設された新国立競技場の引き渡し式が行われた。中国からカンボジアに贈与されたインフラとしては過去最大の案件となった。
引き渡されたのは「モロドク・テコ国立競技場」で、海外での影響力拡大を狙う巨大経済圏構想「一帯一路」の一環となる。
カンボジアのタオン・コン観光相は、競技場の総工費は1億5000万ドルで、中国によるインフラ分野での贈与としては過去最大だと述べた。
帆船を模した外観は、中国人がかつて船に乗りカンボジアにやって来た歴史を表現したもので、両国の長期にわたる友好関係を象徴しているという。
カンボジアのフン・セン首相は中国への依存を強めているとして批判を浴びている。首相は12日の式典で、中国は「信頼でき、尊敬すべき友人だ」とし、中国との関係性を正当化した。
また、競技場については「カンボジアと中国の揺るぎない友好関係がもたらした新たな成果だ」と述べた。
フン・セン氏によると、王氏はカンボジアの開発プロジェクトに対し計2億5000万ドル(約270億円)を支援する複数の協定にも署名した。
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表だって「条件」などつけなくても、すべての面で中国の利益に最大限に配慮してくれる関係が成立しているということでしょう。
中国の支援事業では、中国も当初の計画と実際が異なるということも。
また、環境や住民生活への配慮を欠くことも。
中国が出資するカンボジアの巨大ダムについて、エネルギー生産量が当初の計画を下回っている上、数万人の村人の「生活を流し去った」とする報告書を10日、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが発表した。
報告書でHRWは、ダムの上流と下流に住む数万の村人の収入に大きな損失が出ていると指摘。執筆したHRWのジョン・シフトン氏は、「カンボジア当局は、このプロジェクトをめぐる補償、再定住、生計回復の方法について早急に見直す必要がある」と述べた。
カンボジア政府は、建設を担った中国電力大手・中国華能集団が約束した通り、カンボジアの年間電力需要の約6分の1が賄われることを期待して、約5000人の再定住を伴うダム事業を推進した。だが、実際の生産量は当初計画の3分の1程度にとどまっているという。
ダムはアジアからアフリカ、欧州にまたがる中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の一環で、建設費は7億8000万ドル(約860億円)とされている。 【8月10日 AFP】
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「一帯一路」にまつわるトラブル、受入国の期待どおりに進んでいないといった話は、他国でも多々あるようですが、そのあたりの話はまた別機会に。
メコンの水資源と上流国のダム建設の問題もありますが、それも別機会に。
【中国支援で海軍基地拡張 「中国専用ではない」「衛星国ではない」】
中国側の見返りは、個々のプロジェクトに絡むもののほか、カンボジア施設の軍事利用なども。
****中国、カンボジアの海軍基地の拡張支援*****
中国がカンボジア南西部にあるリアム海軍基地の拡張を支援していることがわかった。国有エンジニアリング会社の中国冶金科工集団が同基地拡張プロジェクトに関わっており、中国による軍事利用の懸念が指摘されている。
中国がカンボジア南西部にあるリアム海軍基地の拡張を支援していることがわかった。国有エンジニアリング会社の中国冶金科工集団が同基地拡張プロジェクトに関わっており、中国による軍事利用の懸念が指摘されている。
破壊された施設の付近には米国がカンボジア海軍に寄贈した小型巡視船が保管されている。CSISは基地周辺の土地が中国企業によってリゾート用に開発されていることも確認し「中国が進出している懸念が消えない」と指摘した。
カンボジア海軍の高官は日本経済新聞の取材に、中国の基地拡張プロジェクトを認めている。バン・ブンリエン海軍副司令官は小型船舶しか進めない現在の水域をより深くするための作業をしていると説明し、さらに「中国は基地内に船体修理の施設を造る工事を支援してくれている」と語った。ただ、同氏は中国軍が関与しているとの見立てを否定している。(中略)
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはカンボジアが中国に同基地の軍事利用を認める代わりに、中国がインフラを整備する秘密合意を結んだと報道している。CSISは「リアム海軍基地の施設は小型巡視船を収容することしかできないため、大規模な港湾開発には注意が必要だ」と指摘している。【2020年10月6日 日経】
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フン・セン首相は、「(中国以外の)他の国々も寄港や給油、カンボジアとの(合同)軍事演習実施の許可を求めることができる」と発言し、“中国専用”ではないとしていますが・・・
こうした中国とカンボジアの関係を見ると、「カンボジアはまるで中国の衛星国ではないか」(“衛星国”というのも、ソ連時代の懐かしい表現ですが)といった指摘も出てきますが、フン・セン首相はもちろん否定します。
****「中国の衛星国」批判、首相が反論****
カンボジアのフン・セン首相は7日、カンボジアは中国の「衛星国」ではないと強調した。中国からインフラ整備などの分野で多くの支援を受けていることについては、同国が最も積極的な支援の姿勢を表明した結果と説明している。クメール・タイムズ(電子版)などが8日に伝えた。
フン・セン首相は、「中国による融資でカンボジアでは道路の建設などが順調に進んでいる。日本や韓国の支援で建設された道路や橋もあるが、中国の援助はさらに大きい。他の国で中国ほど積極的に支援を申し出る国はなかった」と指摘。中国からの多大な援助を一方的に取り上げて、「カンボジアを中国の衛星国」と見なす見解は妥当ではないと不快感を示した。
「中国の衛星国」との見方に抵抗を示す首相の発言は、カンボジアが米国の支援で建設された南西部のリアム海軍基地の施設を取り壊したことが背景にある。基地周辺の土地を中国企業が借り上げていることから、米国側は同施設の解体を中国の軍事利用に便宜を図る対応として批判を強めていた。
フン・セン首相は、「中国だけが特別扱いになっているわけではない」と述べ、米国側の臆測を否定。「軍港は事前に許可を取得すればどの国の船でも停泊することができる」と説明した。【2020年10月9日 NNA ASIA】
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もっとも、フン・セン首相はあの過酷なカンボジア内戦を生き延びた人物ですから、別に中国のためにいろいろやっている訳でもなく、あくまでも中国から利益が引き出せるなら・・・という現実的計算のもとでの行動でしょう。
風向きが変われば、対応も変わるでしょう。そのあたりはしたたかな政治家です。(短期的には)腹の足しにならない人権や民主主義といった理念には興味ないでしょうが。