
イスラエルはガザ市全域の制圧・占拠に向けた地上攻撃の「予備的な行動」を開始しています。今後多くの住民が再度の避難を強いられることになります。
軍報道官によると、部隊はすでにガザ市のゼイトゥンとジャバリアの両地区で作戦を展開し、攻撃の足固めをしているという。この作戦は、イスラエル・カッツ国防相が19日に承認したもので、今週中に安全保障内閣に提出される。
イスラエルはこの作戦のため、予備役の兵士約6万人を9月初めに向けて招集する。
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イスラエル・ネタニヤフ首相の頑なな姿勢に欧州などでは批判が高まり、「パレスチナ国家承認」などの動きがひろまっていますが、イスラエル国内でも戦争の拡大よりも停戦と人質解放を優先させるべきとの声も根強くあります。
イスラエル各地で17日、パレスチナ・ガザ地区での戦争の終結と、イスラム組織ハマスに拘束されている人質の解放を求める抗議デモがあり、数十万人が参加した。 最大規模の集会はテルアヴィヴの「人質広場」で行われた。
全国規模の抗議活動の一環として実施された1日限定のストライキでは、一部地域で道路やオフィス、大学などが閉鎖された。日中には約40人が逮捕された。
国連によると、ガザではすでに、人口の約90%に当たる約190万人が避難を余儀なくされている。
国連はまた、ガザで広範な栄養不良が発生していると指摘しており、同機関が支援する専門家らは先月の報告書で、「最悪の事態である飢饉(ききん)が現実となっている」と警告している。
ハマスは2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、約1200人を殺害、251人を人質として拘束した。これを受けたイスラエルの攻撃により、これまでに6万1000人以上のパレスチナ人が殺害されていると、ハマスが運営するガザ保健省は発表している。国連は、この数字を信頼できるものとみなしている【8月18日 BBC】
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最大都市テルアビブ(都市圏人口268万人)では50万人がデモに参加したとも。
イスラエル各地で23日夜、パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放を求める大規模なデモが開かれた。イスラエル政府がガザ市の制圧作戦を着手する中で、エルサレムでは参加者たちが「今すぐに交渉に合意を」と叫んだ。【8月24日 読売】
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従って、ネタニヤフ首相としても停戦交渉を無視する訳にもいきませんので、戦闘の拡大・強化と併せて、ハマスとの停戦交渉開始も指示はしています・・・・どこまで本気かはわかりませんが。
パレスチナのガザ地区をめぐり、イスラム組織ハマスが仲介国が提案した停戦案に同意しイスラエル側の対応が焦点となる中、ネタニヤフ首相は交渉を始めるよう指示したことを明らかにしました。ただ、解放する人質の人数などについて双方の主張に隔たりがあり、合意につながるかは不透明です。
ガザ地区で続くイスラエルとハマスの戦闘をめぐっては今月18日、仲介国が示した停戦案にハマスが同意し、イスラエル側の対応が焦点となっていました。
こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は21日「直ちに交渉を始めるよう指示した」と述べ、ハマスが同意した停戦案について協議する意向を初めて示しました。
ただ、停戦案では、ハマスが一部の人質を解放するとされているのに対し、ネタニヤフ首相は全員の解放を求めるなど、双方の主張に隔たりがあり合意につながるかは不透明です。
ネタニヤフ首相は協議する意向を示す一方で、ガザ地区最大の都市ガザ市の制圧とハマスの打倒に向けて、軍が示した作戦計画を承認する考えも示しました。
この作戦をめぐっては、人質の家族らが「人質を危険にさらす」として反対するなど、国内でも非難の声が上がっていますが、ネタニヤフ首相は「人質全員の解放とハマスの打倒は密接に関連している」と述べ、軍事的な圧力を緩めない姿勢を強調しました。
こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は21日「直ちに交渉を始めるよう指示した」と述べ、ハマスが同意した停戦案について協議する意向を初めて示しました。
ただ、停戦案では、ハマスが一部の人質を解放するとされているのに対し、ネタニヤフ首相は全員の解放を求めるなど、双方の主張に隔たりがあり合意につながるかは不透明です。
ネタニヤフ首相は協議する意向を示す一方で、ガザ地区最大の都市ガザ市の制圧とハマスの打倒に向けて、軍が示した作戦計画を承認する考えも示しました。
この作戦をめぐっては、人質の家族らが「人質を危険にさらす」として反対するなど、国内でも非難の声が上がっていますが、ネタニヤフ首相は「人質全員の解放とハマスの打倒は密接に関連している」と述べ、軍事的な圧力を緩めない姿勢を強調しました。
人質の親族「停戦案に今すぐサインを」
ガザ地区で拘束されているイスラエル人の人質の家族などで作るグループが21日、会見し、ガザ市の制圧などに向けた作戦の影響で人質の命が失われる前に、停戦案に同意するようイスラエル政府に求めました。
このうち、ガザ地区周辺の集落から連れ去られた30代の人質の親族は「停戦案に今すぐサインしなければならない。人質の解放と戦争の終結がイスラエルの未来を確かなものにし、家族の癒やしや兵士の帰還を可能にする」と訴えました。
イスラエルでは、政府がガザ市の制圧などに向けて軍事作戦を拡大するとした方針に対し、抗議の声が広がっています。
最大の商業都市テルアビブで今月17日に行われたデモには、主催者の発表で50万人近くが参加しました。【8月22日 NHK】
このうち、ガザ地区周辺の集落から連れ去られた30代の人質の親族は「停戦案に今すぐサインしなければならない。人質の解放と戦争の終結がイスラエルの未来を確かなものにし、家族の癒やしや兵士の帰還を可能にする」と訴えました。
イスラエルでは、政府がガザ市の制圧などに向けて軍事作戦を拡大するとした方針に対し、抗議の声が広がっています。
最大の商業都市テルアビブで今月17日に行われたデモには、主催者の発表で50万人近くが参加しました。【8月22日 NHK】
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停戦交渉開始を指示してはいますが、あくまでも徹底した戦争遂行を求める極右政権に支えられるネタニヤフ首相としては政権維持のためには戦争を止めることができないと見られています。
ライバル野党政治家ガンツ氏からは、極右を排除して統一政府を樹立し、人質解放最優先で取り組むべきとの提案も。
イスラエル野党「国家団結党」を率いるベニー・ガンツ元国防相は23日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、パレスチナ自治区ガザ地区で拘束されている人質の解放を視野に、野党のメンバーと共に統一政府を結成するよう呼びかけた。
ネタニヤフ氏のライバルであり、開戦当初には政権に参加していたガンツ氏は、人質解放の合意を目指す一時的な連立を提案した。これは極右勢力を政権から排除することにもつながる。
「私は声を持たない人質たちのためにここにいる。私は叫ぶ兵士たちのためにここにいるが、現政権は誰も彼らの声を聞いていない」とガンツ氏はテレビ会見で述べた。
さらに「わが国の義務はまず第一に、ユダヤ人とすべての市民の命を救うことだ」と強調し、野党「イェシュアティド」率いるヤイル・ラピド前首相や、同じく野党「わが家イスラエル」率いるアビグドール・リーベルマン前財務相にも検討を呼びかけた。
ラピド氏とリーベルマン氏はこれまで、ネタニヤフ氏が主導する政権への参加を拒否している。
ネタニヤフ氏の連立政権は、ユダヤ教神学校の学生を軍に徴兵する法案をめぐって超正統派政党の支持を失い、夏季休会明けには崩壊の危機に直面するとみられている。
ガンツ氏の呼びかけに対し、政権から排除される可能性のある極右のイタマル・ベングビール国家治安相は即座に反発した。 「右派の有権者は右派の政策を選んだのであって、ガンツの政策でも中道政権でもハマスとの降伏合意でもない。求めているのは絶対的な勝利だ」と述べた。
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【国連「飢饉」を宣言 求められる「行動」】
一方、ガザの飢餓を否定するネタニヤフ政権に対し、国連グテーレス事務総長はガザの状況を「飢饉」としたうえで「これは人為的な災害で、道義的な非難に値し、人類そのものの失敗だ」とイスラエルの対応を厳しく批判しています。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は22日、パレスチナ・ガザ地区のガザ市とその周辺地域で起きている飢饉(ききん)は「人類の失敗」だと述べた。
これは、国連が支援する総合的食料安全保障レベル分類(IPC)が最新の報告書で、同地域の食料不安状況を最も深刻なレベルの「フェーズ5(壊滅的飢餓または飢饉)」に引き上げたことを受けた発言。
IPCによると、ガザ全域で50万人以上が「飢餓、困窮、死」によって特徴づけられる「壊滅的」な状況に直面している。
グテーレス事務総長は、「ガザの生き地獄を表現する言葉が尽きたかに思えたその時、新たな言葉が加わった。それが『飢饉』だ」と述べた。
事務総長はまた、この状況に「謎はない」とした上で、「これは人為的な災害で、道義的な非難に値し、人類そのものの失敗だ」と強調。さらに、イスラエルには「国際法の下で明確な義務がある」とし、「住民への食料や医療物資の供給を確保する責任がある」と述べた。【8月23日 BBC】
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グテーレス事務総長の発言はそのとおりですが、もはや単に「言う」だけでなく、実際の状況改善に繋がる何らかの行動を必要としています。
イスラエルが拡大する軍事攻勢の一環として制圧を計画しているガザ市から送られてくるAFPの映像には、食料を求めて混乱の中で押し合う数十人の人々の中に、女性や幼い子どもが混じっている様子が見て取れる。
炊き出し所では、少年が調理用の大釜の内側から残り少ない米粒を手でかき集めていた。また別の少女はテントの端に座り、地面に置かれたプラスチック袋から米をすくっていた。
「家も食べ物も収入もなくなった。だから炊き出しに頼るしかないが、それでも空腹は満たされない」と、北部ベイト・ハヌーンから避難してきたユセフ・ハマドさんは語った。
ガザ地区中部デイル・エル・バラの炊き出し所では、ウム・モハマドさんが「国連の飢饉宣言はあまりにも遅すぎた」と述べ、子どもたちは「食べ物と水が不足しているため、めまいでふらつき、起き上がることができない」と訴えた。
国連は22日にガザでの飢饉を公式に宣言し、22か月以上にわたる戦争中にイスラエルが援助を「組織的に妨害」したと非難した。
この否定を受けて、国連パレスチナ難民救済事業機関のフィリップ・ラザリニ事務局長は「イスラエル政府はガザで自らが引き起こした飢饉を否定するのをやめるべき時だ」と述べ、「影響力のある人々は決意と道徳的責任感を持って行動すべきだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。
急性の飢餓の指標である「IPC」では、飢饉が9月末までにデイル・エル・バラとハンユニスに拡大し、ガザの約3分の2を覆うと予測されている。
■「終わりが近いように感じる」
ガザの民間防衛機関のマフムード・バッサル報道官は、サブラとゼイトゥンの状況を「著しく壊滅的」と呼び、「全住宅エリアの完全な平坦化」が起きていると説明した。
「ここに閉じ込められ、恐怖の中で生きている。ガザのどこにも安全な場所はない。今動けば死に至る」と、ゼイトゥンの北部郊外に避難したアフマド・ジュンディエさんは語った。
「爆撃の音が絶えず聞こえる。戦闘機、砲撃、無人機の爆発音まで聞こえる」とAFPの電話取材で語った。
「みんな非常に恐れている。終わりが近いように感じる」
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は22日、イスラム組織ハマスが武装解除し、領内の残りの人質をすべて解放し、イスラエルの条件で戦争を終わらせない限り、イスラエルはガザ市を他の地域と同様に破壊すると発言した。
マフムード・アブ・サケルさんは、イスラエルがガザ市を占領する計画を発表して以来、住民の脱出が加速しているとAFPに述べた。
「今朝だけで500から600家族以上が去り、昨日は数千家族が去った」とし、「朝からの爆発音が皆を追い立てている」と続けた。(後略)【8月24日 AFP】
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