
【南部ロストフ州から更にボロネジ州へ モスクワの南500km】
ロシアのプリゴジン氏率いる民間軍事会社ワグネルの「反乱」だか「決起」だかの動きは、現在進行形で動いており、今後の推移はまったく不透明です。以下は、“賞味期限1日(数時間?)”の現況を取りまとめたものです。
プリゴジン氏とショイグ国防相や国防相・軍指導部の確執(と言うか、プリゴジン氏のショイグ国防相等への罵詈雑言)は以前からのものですが、プリゴジン氏は、ロシア軍指導部がワグネルの軍事キャンプを攻撃し、「膨大な数」の戦闘員を殺害したと今回行動を正当化しています。
今後、モスクワに向けて進軍するのか、その場合、ロシア軍がどのように対応するのか・・・注目されています。
プリゴジン氏はまた「(ロシア軍の)南部軍管区司令部に入った」として、ロストフナドヌーを事実上統制下に置いたと強調しています。
また、ロイター通信はロシア当局者の情報として、ワグネルの戦闘員がモスクワから南におよそ500キロに位置する都市ボロネジの軍事施設を支配下に置いたと伝えました。ワグネルの部隊がロストフナドヌーからモスクワに向かい北上をはじめた可能性があります。
ワグネルはロシア軍と協力関係にありましたが、最近は関係が悪化し、プリゴジン氏は23日、ロシア軍から攻撃を受けたと主張した上で「全力で対抗する」などと報復を宣言していました。
ロシア プーチン大統領 「我々は裏切りに直面している。ロストフナドヌーの状況を安定させるため、徹底的な行動をおこす」
プーチン大統領はワグネルの行動を「反乱」だと非難した上で、徹底しておさえ込む姿勢を強調しました。
ウクライナ侵攻の戦況に影響を与える可能性もあり、ワグネルの今後の動きが注目されます。【6月24日 日テレNEWS】
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プーチン大統領は24日、緊急演説でこのように警告し、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」のトップ、プリゴジン氏の行為を「理不尽な野心と私利私欲」と非難し、断固たる行動をとるよう指示したと述べた。【6月24日 FNNプライムオンライン】
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ワグネルの武装蜂起は軍事クーデターとまではいえないが、規模は相当大きい。ロシアでは24日未明、当局がプリゴジン氏の捜査を始めたなどとする緊急ニュースが2回も流された。ウクライナ戦争後でもあまり見たことがなく、極めて異常な事態だ。
ワグネル部隊は正規軍に比べると、数で圧倒的に不利だ。今回進軍した南部ロストフナドヌーに加え、別地域に進軍する可能性も捨てきれないが、現時点でモスクワまで進軍するかは見通せない。
プリゴジン氏は官僚的で硬直化した既存の軍組織を嫌っており、ウクライナ侵攻の方針を巡り、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長を批判してきた。武装蜂起は軍内部の確執を背景としたもので、政権転覆などが目的ではない。2人への私怨(しえん)や官僚主義の打破が主目的ではないか。
プーチン政権の発足から20年以上の間、側近同士の争いは数多くあったが、プーチン氏はウクライナ戦争が予想外に長期化した影響で、側近をコントロールできていない。武装蜂起はプーチン氏に余裕がないことの表れともいえそうだ。
プリゴジン氏はプーチン氏を直接批判したことはなく、忠誠心は今も変わらないはずだ。一方のプーチン氏も24日のテレビ演説で武装反乱を批判したが、プリゴジン氏を名指しせず遠慮気味な表現だった。まだプリゴジン氏への「情」が残っているのではないか。
ワグネルはプーチン氏の「私兵」と呼ばれウクライナ戦争でも貢献した。プーチン氏が「便利屋」として重宝してきたプリゴジン氏と手を切るのかが、今回の大きな注目点だ。そうなればプリゴジン氏が逮捕される展開もあり得る。
武装蜂起はウクライナの反転攻勢が本格化したタイミングと重なったが、ワグネルがウクライナに寝返るとは考えにくい。ただロストフナドヌーはウクライナ国境に近い。露軍の出兵拠点でもあり、展開次第ではウクライナでの露軍の動きが鈍くなり、戦況に影響を与える可能性がある。【6月24日 産経】
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武装蜂起したロシアの民間軍事会社「ワグネル」を率いるプリゴジン氏が新たな声明を発表し、「我々こそが愛国者だ」と抵抗を続ける構えを見せました。
ロシアのプーチン大統領は24日の演説で武装蜂起した「ワグネル」は「裏切り者」だとしてロシア軍などに鎮圧を命じました。
演説からおよそ2時間後にプリゴジン氏がSNSで新たな声明を発表し、「大統領は大きな間違いを犯した。我々が愛国者だ」と主張しました。
「我々は汚職や欺瞞(ぎまん)、官僚主義に対して戦っている愛国者だ」と強調し、ウクライナで戦っている間に官僚らは自らの懐を肥やしていたと痛烈に批判しました。
プリゴジン氏はそのうえで、プーチン大統領や治安当局の要請に応じて自首する者はいないだろうと強気の姿勢を見せています。【6月24日 テレ朝news】
ロシアのプーチン大統領は24日の演説で武装蜂起した「ワグネル」は「裏切り者」だとしてロシア軍などに鎮圧を命じました。
演説からおよそ2時間後にプリゴジン氏がSNSで新たな声明を発表し、「大統領は大きな間違いを犯した。我々が愛国者だ」と主張しました。
「我々は汚職や欺瞞(ぎまん)、官僚主義に対して戦っている愛国者だ」と強調し、ウクライナで戦っている間に官僚らは自らの懐を肥やしていたと痛烈に批判しました。
プリゴジン氏はそのうえで、プーチン大統領や治安当局の要請に応じて自首する者はいないだろうと強気の姿勢を見せています。【6月24日 テレ朝news】
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【数で圧倒的に不利な「叛乱軍」は殲滅される・・・のか?】
“ワグネル部隊は正規軍に比べると、数で圧倒的に不利だ”ということですが、ロシア軍の空洞化はウクライナで露呈しています。
モスクワ周辺のロシア軍でワグネルを止められるのか?
プリゴジン氏の方も、そうしたロシア軍の状況を前提にした行動・・・でしょうか。
“(プリゴジン氏は)戦闘員がロストフ州に入った際には兵士や警察などがうれしそうに出迎えたと主張しています。”【6月24日 テレ朝news】 こうした現場のプリゴジン氏・ワグネルへの反応も、今後の状況に大きく影響します。
ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は24日、ソーシャルメディアに投稿した動画で、ワグネル部隊がロシア南部ロストフ・ナ・ドヌを占拠したと表明。ロシアのショイグ国防相とゲラシモフ軍参謀総長に対し、面会に来るよう要請した。(中略)
通話アプリ「テレグラム」に投稿された別の動画で、プリゴジン氏は、「われわれはここにやって来た。軍参総長とショイグをここに迎えたい。来なければ、われわれはここに居座り、ロストフを封鎖してモスクワに向かう」と述べた。
一方、ロシアの治安当局筋は24日、ロイターに対し、ワグネル部隊がロシア南西部ボロネジの全てのロ関連施設を支配下に置いたと述べた。ボロネジはモスクワの南約500キロの位置にある。
プリゴジン氏は23日、ロシア軍上層部がワグネルの戦闘員を爆撃で大量に殺害したと根拠を明らかにせずに主張し、報復すると表明。24日には、ワグネル部隊がウクライナから国境を越え、ロシア南部ロストフに入ったと明らかにしていた。
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上記記事にある“ウラジーミル・アレクセーエフ中将”が何者だか知りませんが、“プリゴジン氏と一緒に映っていた”というのは「プリゴジン氏の主張に賛同した」、もっと直截に言えば「寝返った」ということでしょうか?
ロシア軍内部にそうした動きが広まれば、“ワグネル部隊は正規軍に比べると、数で圧倒的に不利だ”という現状もまた話が違ってきます。
今後の展開については、以下のようにも。
(中略)
■大規模クーデター 発展の可能性は…
果たして、プリゴジン氏の狙いは何なのでしょうか。元ANNモスクワ支局長・武隈氏によると…。
元ANNモスクワ支局長・武隈喜一氏:「ロシア軍のなかで戦っている兵士たちをワグネル側につけて、ショイグ(国防相)とゲラシモフ(参謀総長)の一掃を図る。新しい軍、自分たちが中心になったロシア軍を作ることが目的だと思う。ロストフの後は、首都モスクワに進軍を続けたい希望はあると思う」
大規模な軍事クーデターに発展する可能性は…。
元ANNモスクワ支局長・武隈喜一氏:「今のワグネルの兵力では、今のロシア軍を相手にしてはとても無理な攻撃だと思います。あと2日、3日…ロシア軍との戦闘のなかでワグネルが殲滅(せんめつ)されていく動きになっていくんじゃないかと思う」
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ワグネルの攻撃はウクライナでのロシアの戦争に重大な影響を与えるだろうと伝えています。【6月24日 テレ朝news】
果たして、プリゴジン氏の狙いは何なのでしょうか。元ANNモスクワ支局長・武隈氏によると…。
元ANNモスクワ支局長・武隈喜一氏:「ロシア軍のなかで戦っている兵士たちをワグネル側につけて、ショイグ(国防相)とゲラシモフ(参謀総長)の一掃を図る。新しい軍、自分たちが中心になったロシア軍を作ることが目的だと思う。ロストフの後は、首都モスクワに進軍を続けたい希望はあると思う」
大規模な軍事クーデターに発展する可能性は…。
元ANNモスクワ支局長・武隈喜一氏:「今のワグネルの兵力では、今のロシア軍を相手にしてはとても無理な攻撃だと思います。あと2日、3日…ロシア軍との戦闘のなかでワグネルが殲滅(せんめつ)されていく動きになっていくんじゃないかと思う」
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ワグネルの攻撃はウクライナでのロシアの戦争に重大な影響を与えるだろうと伝えています。【6月24日 テレ朝news】
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“ワグネルが殲滅されていく動きになっていく”かどうかは、ワグネルをを迎え入れる現地やロシア軍内部のプリゴジン氏の「決起」への共感の有無にもよります。
【ロシア内部の混乱に期待するウクライナ】
ウクライナはロシア内部の混乱に期待しています。
ワグネルは東部の激戦地バフムトを巡る攻防戦などで、最前線に展開してきた。ウクライナ側では内紛でロシアの侵攻部隊が弱体化し、反転攻勢の追い風となることに期待が高まっている。
ウクライナのポドリャク大統領府顧問も「(ロシア)中枢の仲たがいは明らか」で、表面を取り繕って問題解決を装うのはもはや困難だと指摘。事態は動き始めたばかりだとして、推移を注視する姿勢を示した。
その上でワグネルの創設者プリゴジン氏が失脚するか、内戦に陥るか、権力移行につながるか、今後48時間の動きがロシアの「新たな状況」の方向性を占うカギを握ると予測した。【6月24日 時事】
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【二・二六事件の決起を連想させるものも】
当時の日本陸軍内部には統制派と皇道派の内部対立があり、そうした確執を背景に一部青年将校らが「憂国」の念から「国家の改造」を求め、「君側の奸」を倒すべく決起に至った・・・しかし、陸軍中枢は動かず、天皇からも理解されず、「叛乱軍」として切り捨てられることに・・。
プリゴジン氏にも、単に権力闘争や野心だけでなく、ウクライナの戦場で目にしたものから、それなりのロシアに対する「憂国」の念があり、プーチン大統領周辺の「君側の奸」を排除せねばロシアが滅びる・・・との思いもあるのでしょう。
しかし、現段階ではプーチン大統領の理解は得られず、「叛乱軍」として処遇されています。
このまま「叛乱軍」として鎮圧されるのか・・・それとも、軍内部・世論の共感を得て、大きく拡大するのか・・・
なお、プリゴジン氏は「われわれはみんな、死ぬ覚悟ができている。2万5000人全員、そしてほかの2万5000人もだ」としていますが、実際問題としては思いがけずも「叛乱軍」となった兵士の心境はそう簡単ではないでしょう。二・二六事件のときもそうであったように。
「やる、やるとは聞いていたけど、本当にやるもんだね・・・」といったところでしょうか。