
世界約110カ国がコソボの独立を認めているものの、セルビアのほか、ロシアや中国、EU加盟国ではスペイン、ギリシャ、ルーマニア、スロバキア、キプロスが独立を認めておらず、コソボは国連にも加盟していません。
旧ユーゴスラビア構成国セルビアのブチッチ大統領と、2008年に同国からの独立を宣言したコソボのホティ首相は7日、ブリュッセルで会談し、欧州連合(EU)の仲介による関係正常化の協議を続けた。会談前には共同声明で「EUへの統合(加盟)と、EUが支援する対話の継続を最優先する」と表明した。
両氏は米ワシントンで4日、トランプ大統領立ち会いの下、経済関係を正常化する合意文書に署名した。ただ、共同声明では、今後もEU主導の協議を続け、加盟条件を満たすために「包括的で法的拘束力のある関係正常化の合意」を目指すことを確認した。
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今年夏にも、セルビアとコソボの関係が再び緊張しているとの報道がありました。直接の問題自体はささいなことがらのようですが、そうしたことがすぐに軍事的緊張につながりかねないあたりが、両国関係の不安定さを示しています。
7月31日夜、コソボの状況は、急激にエスカレートした。その原因は、未承認国の警察が隣国セルビアとの国境の検問所を閉鎖し、8月1日以降、コソボ領内で、セルビア語で記された書類が禁止されることになったことにある。
このため、セルビア語表記の自動車のプレートが、強制的に撤去されるという事態が発生した。一体、何が起こっているのか。
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しかし、対立の基本構造はそのままですから、すぐに発火します。
ブセビッチ国防相はまた、アレクサンダル・ブチッチ大統領が特殊部隊兵力を従来の1500人から5000人に増員するよう指示したと伝えた。
今回の声明はブセビッチ国防相がミラン・モシロビッチ陸軍参謀総長と共に前日コソボと国境を接する南部都市ラスカを視察した後に発表された。ラスカはコソボとの国境から約10キロメートル離れたところで、セルビア陸軍兵力がここに駐留している。
このナンバープレート問題はEUと米国の仲裁で一旦は妥協に至ったが、コソボ政府が北部地域に警察を派遣して葛藤が再び深まった。
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【自制を促す国際社会 セルビア系住民が封鎖解除で合意 しかし火種は消えず】
ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日、コソボ北部の少数派セルビア系住民を支援するセルビアをロシアは支持しているとしながらも、ロシアがバルカン半島全体に混乱をもたらそうと緊張を煽っているとの非難は否定した。
コソボのスベクラ内相は27日、道路を封鎖して抗議活動を繰り広げている北部の少数派セルビア系住民を、ロシアの影響を受けているセルビアが支援し、不安定化を図ろうと狙っていると非難した。
これについてペスコフ報道官は「セルビアは主権国家であり、ロシアの影響力を受けていると考えるのは完全に誤っている」とした上で、「こうした困難な状況下でセルビア系住民の権利を保護し、権利が侵害された場合は厳しく反応する」と述べた。
その上で「ロシアはセルビアと極めて密接な同盟関係にあり、歴史的、精神的なつながりを持っているため、セルビア系住民の権利がどのように尊重されているか、緊密に注視している」とし、「ロシアはセルビアを支持している」と述べた。【12月29日 ロイター】
コソボのスベクラ内相は27日、道路を封鎖して抗議活動を繰り広げている北部の少数派セルビア系住民を、ロシアの影響を受けているセルビアが支援し、不安定化を図ろうと狙っていると非難した。
これについてペスコフ報道官は「セルビアは主権国家であり、ロシアの影響力を受けていると考えるのは完全に誤っている」とした上で、「こうした困難な状況下でセルビア系住民の権利を保護し、権利が侵害された場合は厳しく反応する」と述べた。
その上で「ロシアはセルビアと極めて密接な同盟関係にあり、歴史的、精神的なつながりを持っているため、セルビア系住民の権利がどのように尊重されているか、緊密に注視している」とし、「ロシアはセルビアを支持している」と述べた。【12月29日 ロイター】
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欧州連合(EU)と米国は28日、コソボ北部での緊張の高まりに懸念を表明し、状況の緩和を呼びかける共同声明を発表した。
共同声明で「われわれは全ての人に最大限の自制を求め、無条件の状況緩和に向けた行動を直ちに実施し、挑発、脅迫、威嚇を控えるよう求める」と指摘。米国とEUはセルビアのブチッチ大統領およびコソボのクルティ首相と協力して、緊張状態を緩和するための政治的解決策を模索するとした。
これに先立ち、北大西洋条約機構(NATO)のコソボ治安維持部隊(KFOR)は、コソボ北部での緊張緩和に向け全ての当事者間の対話を支持すると発表。全ての当事者が挑発的な武力行使を控え、安全確保に向け最善の解決策を模索することを期待するとした。【12月29日 ロイター】
共同声明で「われわれは全ての人に最大限の自制を求め、無条件の状況緩和に向けた行動を直ちに実施し、挑発、脅迫、威嚇を控えるよう求める」と指摘。米国とEUはセルビアのブチッチ大統領およびコソボのクルティ首相と協力して、緊張状態を緩和するための政治的解決策を模索するとした。
これに先立ち、北大西洋条約機構(NATO)のコソボ治安維持部隊(KFOR)は、コソボ北部での緊張緩和に向け全ての当事者間の対話を支持すると発表。全ての当事者が挑発的な武力行使を控え、安全確保に向け最善の解決策を模索することを期待するとした。【12月29日 ロイター】
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セルビアもこれ以上ことが大きくなると、後に退けない状況にもなってしまいますので、事態収拾の方向で動いています。
2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボの北部でセルビア系住民による抗議行動が激化し、セルビア当局者は28日、同国のブチッチ大統領が抗議行動を停止するよう要請したことを明らかにした。ロイター通信が伝えた。(後略)【12月29日 共同】
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コソボ北部で19日間にわたり道路を封鎖しているセルビア系住民は、緊張緩和を求める米国と欧州連合(EU)の要請に応じてバリケードを撤去することに同意した。
セルビアのブチッチ大統領はコソボ北部のセルビア系住民とセルビアのラスカで会談した後、バリケード撤去が29日朝から始まると明らかにした。「これは長いプロセスで、しばらく時間がかかる」と述べた。
米国、北大西洋条約機構(NATO)、EUはコソボ北部での対立を巡り最大限の自制を促してきた。バリケードの撤去はセルビアとコソボの間の緊張緩和につながるとみられる。
セルビア系の元警官が他の警官に暴行したとして10日に逮捕されたことが抗議行動につながった。釈放を求めるセルビア系住民が警察と銃撃戦を繰り広げ、道路に10カ所以上のバリケードを築いた。
コソボ首都プリシュティナの裁判所の報道官は、元警官が検察当局の要請により拘束を解かれ、自宅軟禁状態に置かれたとロイターに明らかにした。
この決定に対しコソボの政府関係者は反発。Haxhiu法相は「テロに関連するこのような重大な犯罪で起訴された人物が軟禁になるのは理解できない」と述べた。クルティ首相は自宅軟禁を要請した検察官と承認した裁判官が誰なのか非常に興味があると語った。【12月29日 ロイター】
セルビアのブチッチ大統領はコソボ北部のセルビア系住民とセルビアのラスカで会談した後、バリケード撤去が29日朝から始まると明らかにした。「これは長いプロセスで、しばらく時間がかかる」と述べた。
米国、北大西洋条約機構(NATO)、EUはコソボ北部での対立を巡り最大限の自制を促してきた。バリケードの撤去はセルビアとコソボの間の緊張緩和につながるとみられる。
セルビア系の元警官が他の警官に暴行したとして10日に逮捕されたことが抗議行動につながった。釈放を求めるセルビア系住民が警察と銃撃戦を繰り広げ、道路に10カ所以上のバリケードを築いた。
コソボ首都プリシュティナの裁判所の報道官は、元警官が検察当局の要請により拘束を解かれ、自宅軟禁状態に置かれたとロイターに明らかにした。
この決定に対しコソボの政府関係者は反発。Haxhiu法相は「テロに関連するこのような重大な犯罪で起訴された人物が軟禁になるのは理解できない」と述べた。クルティ首相は自宅軟禁を要請した検察官と承認した裁判官が誰なのか非常に興味があると語った。【12月29日 ロイター】
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元警察官の拘束が解かれたことには、コソボ側は不満があるようです。
今回の緊張状態はいったん収まったとしても、今後何らかの問題で再び緊張が高まる事態になりうることは容易に想像できます。
アルメニア人のルザン・ホバニシャンさんは、アゼルバイジャン内の係争地ナゴルノカラバフとアルメニアを結ぶ唯一の道路がアゼルバイジャン側に封鎖されたため、ナゴルノ在住の家族に会えないまま新年を迎えることになるのではないかと心配している。
アルメニア系住民が多数を占めるナゴルノは、ラチン回廊でアルメニアと結ばれている。しかし、アゼルバイジャンの活動家が今月12日、回廊を封鎖。ナゴルノの鉱山で「違法採掘」が行われており、環境が汚染されているというのがその理由だった。(中略)
同じくステパナケルトに住むアショット・グリゴリャンさんは、「店の棚はほぼ空だ。パンがあるのが救い」だと話した。ナゴルノの住人は約12万人。食料、医薬品、燃料不足に直面している。
アゼルバイジャンの活動家は「違法採掘」への抗議行動を続けている。同国政府は、抗議は住民が自発的に行っていると主張しているが、アルメニア政府は、アルメニア系住民に土地を放棄させることを狙ったものだと反発している。
同国のニコル・パシニャン首相は、ラチン回廊に配備されているロシアの平和維持軍が「違法な封鎖」を阻止しなかったと抗議している。
26日、現場に集まっていたアゼルバイジャンの活動家グループは、封鎖を否定した。取材に応じた一人は「われわれの要求は天然資源の違法利用をやめさせることだけだ」と強調。人道支援物資の輸送を阻止しているわけではないと語った。ただ、抗議開始以降、アルメニアとの間の物流が途絶えていることを認めた。
AFP記者は、ロシア軍車両が回廊を自由に移動しているのを目撃した。一方で、ステパナケルトから約15キロの地点にあるロシアが設けた検問所付近の道路は封鎖されていた。
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9月の衝突で事実上敗北したアルメニアは、11月に開催されたロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会議でもその不満を明らかにしています。
ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会議で、アルメニアのニコル・パシニャン首相が写真撮影の際、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領からあからさまに距離を置こうとしている様子が収められた動画が公開された。パシニャンは、同会議で共同宣言への署名を拒否するなど、ロシアへの不満をあらわにしている。(後略)【11月26日 Newsweek】
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アルメニアのニコル・パシニャン首相は27日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談で、自国とアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフに展開したロシア平和維持部隊の役割に疑問を呈した。
人口約12万人のナゴルノカラバフでは今月中旬から、アゼルバイジャンの活動家らが違法採掘に抗議するとしてナゴルノカラバフとアルメニアを結ぶ唯一の陸路、ラチン回廊を封鎖。その結果、ナゴルノカラバフでは食料、医薬品、燃料などの搬入が止まっている。
パシニャン氏は独立国家共同体非公式首脳会議が開かれたロシア・サンクトペテルブルクでプーチン氏と会談。ラチン回廊は「ナゴルノカラバフに駐留するロシア平和維持部隊が責任を負うべき地域である」にもかかわらず、「管理されていない」と指摘した。 【12月28日 AFP】
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ロシアも「それどころじゃない。自分たちで何とかしてくれ」といったところでしょう。ロシアのコントロールがきかない形で衝突が再発する危険も。