lonelylika’s diary

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ

地球温暖化対策「COP24」開幕  石炭など“レトロ・アメリカ”への偏重が際立つトランプ大統領


(【12月3日 東京】 世界の未来は中国とアメリカの対応にかかっていることを改めて感じるグラフです)

【トルコやサウジアラビア、ロシアなどの消極姿勢など、いつもどおり難航が予想】
地球温暖化対策を話し合う国連の会議「COP24」が2日、ポーランドで開幕しました。
「COP24」は、「パリ協定」の実施に必要なルールを決める期限となっていて、実効性のあるルールを採択できるかが焦点となります。

****「パリ協定」とは****
「パリ協定」は2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みで、3年前の2015年にフランスのパリで開かれた「COP21」で採択され、おととし11月に発効しました。

世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度未満に保つとともに、1.5度に抑える努力をすることや、そのために、世界全体の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロにすることを目標に掲げています。

そして、先進国だけに排出削減を義務づけた「京都議定書」とは異なり、発展途上国を含むすべての国が削減に取り組むことを定めていて、各国は、削減目標を5年ごとに国連に提出し、取り組みの状況を報告することが義務づけられています。

今回の「COP24」では、その報告をどのように行うのかなど、「パリ協定」を実施するためのルールの中身について決めることになっています。

地球温暖化をめぐっては、近年、日本を含む世界各地で洪水や高潮、猛暑、それに干ばつなどの異常気象による被害が相次いでいるほか、ことし10月には世界の科学者などでつくる国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」が、今のままでは、早ければ2030年には、世界の平均気温が産業革命前に比べて1.5度上昇すると予測する報告書を公表したことなどから、世界各国で危機感が強まり、対策を強化する機運が高まっています。

このため、対策の根幹となる「パリ協定」のルール作りが、今回の「COP24」でどれだけ進むのか、注目されます。【12月2日 NHK】
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先日のG20でも、「パリ協定」は「撤回不可能」だとして、完全に履行することで合意したと明記されたものの、トルコやサウジアラビア、ロシアなどの消極姿勢、それに苛立つ欧州などの間で“大論争”もあったとかで、離脱を表明しているアメリカは、この混乱を楽しんでいる(あるいは、煽っている)・・・といった感も。

****G20、気候変動めぐる各国のひずみが浮き彫りに****
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催された20か国・地域首脳会議は1日、首脳宣言を採択して閉幕した。会議では米国が気候変動に対する地球規模の行動の支持を拒否し、保護主義と闘うとのこれまで盛り込まれてきた文言を骨抜きにしたため、米国と他のG20参加国との間で意見の相違が目立った。
 
首脳宣言では、米国以外のすべてのG20参加国が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は「撤回不可能」だとしてそれを完全に履行することで合意したと明記された。「米国はパリ協定から脱退する意思を改めて表明している」とも記された。
 
ホワイトハウスの高官によると、気候変動問題で米国と対立する「連合国」の一部がいら立ち始めており、トルコやロシア、サウジアラビアといった複数の国々は首脳宣言を最終的に支持したものの、署名に尻込みしていたという。
 
匿名を条件に語った高官は、「雇用をなくす協定から離脱する理由についてわが国の見解を明確にありのまま記して説明する一文を盛り込ませた」と述べた。パリ協定は米経済界に不利益となるというドナルド・トランプ大統領の主張に沿うものだ。
 
高官は「連合国のごく一部のいら立ちが明らかになり始めている。トルコやサウジアラビア、ロシアといった国々は、後でなにか言い始めるかもしれない」と述べ、「あらゆる点で、あれは本当に大成功だったと思う」と語った。
 
パリ協定は2015年に合意され、米国はバラク・オバマ前大統領在任中の2016年に批准したが、トランプ政権になって離脱する意向を示した。ロシア、トルコ、イランは未批准となっている。
 
交渉に近いフランス筋によると、「一定数の国々」が「パリ協定へのコミットメントの確約」をちゅうちょしていたため、19か国をまとめるのに大論争があったという。【12月2日 AFP】
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まあ、地球温暖化対策の国際協議の歴史は対立・混乱の歴史ですから、多少のゴタゴタは仕方ないところではありますが、異常気象が増加し、気温上傾向が明らかになっているこの期に及んで・・・という感も。

最近の国連研究によると、4年間横ばいだった二酸化炭素排出量は再び上昇しています。
(11月28日ブログ“地球温暖化 気温上昇抑制の目標達成が遠のく現況 トランプ、「ブラジルのトランプ」という政治要因も”)

【例によって「途上国」の立場を主張する中国】
****温暖化めぐるアメリカの動き****
世界で二酸化炭素などの温室効果ガスを最も多く排出している国は中国で、2番目に多いのがアメリカです。

地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」は、中国とアメリカが率先して締結し、リーダーシップを発揮することでおととし11月に発効しました。しかし、その2か月後に大統領に就任したアメリカのトランプ大統領は去年6月、「パリ協定」から脱退する方針を示しました。

一方で規定では、実際にアメリカが脱退できるのは早くても再来年、2020年11月4日以降で、脱退表明後もCOPの議論には「国益を守るため」などとして関係者が参加しています。【12月2日 NHK】
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「パリ協定」からの脱退を表明しているアメリカ・トランプ政権が目立ちますが、世界最大の温室効果ガス排出国である中国も、アメリカとは異なり国際協力の先頭に立っていることをアピールしつつも、実際のルール作りにおいては相変わらずの「途上国」の立場を主張する形で、“せめぎあい”の中心にいます。

****COP24 存在感増す中国に厳格ルール適用でせめぎあい****
12月2日、ポーランド・カトウィツェで開幕する気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)。パリ協定の実施ルールづくりで合意を目指すが、先進国と中国のせめぎあいが大きな焦点の一つとなりそうだ。

温室効果ガスの最大排出国の中国の対策を確実にするため、厳格なルール適用を目指す先進国に中国は抵抗。米国の協定離脱で中国が存在感を増す中、その出方は議論の行方に影響を与える。
 
「受け身の参加者だったのが今では積極的だ。大きな変化だ」。中国の交渉責任者は11月、欧州メディアに対し、地球温暖化対策の議論への関与について語った。一方、欧州の専門家からは「問題はそれがどう出るかだ」との声も上がる。
 
パリ協定は先進国と途上国がともに対策をとる点で画期的だが、自主的取り組みとの位置づけ。実効性を担保するには目標や進捗(しんちょく)状況を透明な形で検証する仕組みが重要だ。だが、中国を含む途上国にできるだけ同じ基準を適用したい先進国に対し、途上国側に立つ中国は柔軟性を求める。
 
これまでの議論では、協定離脱を通知した米国も2020年11月までは離脱できず、代表団を派遣し、厳格なルールのため積極的に関与。

途上国でも温暖化の影響に弱い島嶼(とうしょ)国などは欧州連合(EU)とともに厳しい取り組みを目指すが、中国の影響力増大は否めないというのが関係者らの認識だ。
 
NGO関係者は中国について国内の環境対策などの事情から協定推進を目指す一方、「厳格な削減を迫られるのを避けるため、ぎりぎりまで交渉するだろう」と指摘。英紙フィナンシャル・タイムズは「中国の影響でルールが柔軟性を増せば、温暖化対策が遅れる可能性がある」とも伝えた。【11月30日 産経】
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【政府報告を「信じない」トランプ大統領 背後には石炭産業の影も】
実質アメリカ抜きのルール策定も重要ですが、やはりアメリカが抜けることで生じる穴は大きいと言わざるを得ません。

でもって、11月28日ブログでも取り上げたように、アメリカ政府(NASA=航空宇宙局やNOAA=海洋大気局など13の省庁)がまとめた温暖化に伴って巨大な経済的損失が生じるとする報告書を「信じない」と一蹴したトランプ大統領です。

トランプ大統領の頑な姿勢の背後にあるものは・・・

****地球温暖化を否定し続ける米大統領の内輪事情****
11月23日、地球温暖化アメリカに及ぼす深刻な影響と対策を論じた注目の米政府専門家委員会報告書が公表された。しかし、就任前から温暖化そのものを否定、パリ協定からの脱退まで言明したトランプ大統領は、報告書の内容を頭から否定、ホワイトハウスは激しいマスコミ批判を浴び対応に苦慮している。
 
トランプ大統領の反環境主義は今に始まったことではない。実業家だった2012年11月7日、自らのツイッターで「地球温暖化という概念は、もともとアメリカ製造業の競争力をそぐために中国によって中国のために作り出されたものだ」と断じ、内外で話題を集めた。

それ以来、ことあるごとに「温暖化は人間の活動とは無関係」と気候変動説を否定し続けてきた。こうしたツイートによる自説展開は昨年6月までの間に115回にも達しているという(電子メディアVox)。

そして、きわめつきが、同年6月1日「パリ協定離脱」の大統領発表だった。

しかし、今回のように、米政府の公式報告書(1656ページ)を大統領自らが否定するのは、異例中の異例であり、議会、学界、産業界、マスコミを巻き込んでハチの巣をつついたような騒ぎとなっている。
 
まず、報告書が作成された経緯と内容、発表のタイミングを振り返ってみよう。(中略)

いずれにしても前回までの報告書とくらべ、2018年版は、全米国民向けにわかりやすいかたちで気候変動の深刻さと自国への影響を、経済的側面から詳細にわたり説明した衝撃的内容であることだけは確かだ。
 
このため、気候変動を一貫して否定してきたトランプ・ホワイトハウスとしては、できるだけ国民の関心をそらすため、マスコミ発表のタイミングを慎重にうかがってきた。
 
その結果が、「感謝祭」明けでクリスマス・ショッピングに多くの国民が浮足立つ「ブラック・フライデー」として知られる休日扱いの11月23日金曜日だった。
 
この点について、報告書作成に携わって来た政府当局者によると、発表は当初は12月第1週を見込んでいたが、ホワイトハウス内部で検討の結果、予定を繰り上げ、ニュース報道があまり目立たない同日発表となったという。
 
発表後、ホワイトハウスは「同報告書はオバマ政権の時に始まったものであり、おおむね地球温暖化の最悪シナリオに基づいた内容だ。4年後の次回報告書はよりバランスのとれたものとなるだろう」とのそっけない声明を出した。

アメリカの大気はかつてないほどクリーンだ」
しかし、トランプ大統領は3日後の26日、報道陣を前に「報告書を部分的に読んだが、私は内容を信じない」とこれを全面否定した上「アメリカの大気はかつてないほどクリーンだ」として、現状以上の大気汚染規制措置にも反対の態度を見せた。
 
問題は、なぜトランプ氏が、このように先進諸国が一様に認める温暖化対策の必要性をかたくなに否認し続けるのかだ。そのひとつのカギを握っているのが、国内石炭、石油産業とのかねてからの癒着関係だといわれてきた。
中でも際立つのが、石炭業界とのディープな関係だろう。

ワシントンに本部を持つ政治献金調査機関「センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクス」の調査データによると、2016年大統領選でトランプ候補に大口政治献金したトップ企業10社のうち、第1位と2位は、ロッキード・マーチン社、バンク・オブ・アメリカなどを抜いてマレー・エナジー社、アライアンス・コール社のいずれも石炭採掘会社だったことが明らかになった。
 
このうちウェスト・バージニアオハイオペンシルバニアのいわゆる“炭鉱州”に鉱山を持つマレー・エナジー社のワンマン経営者ロバート・マレー氏は会社労組としての献金のほかに、個人的にも選挙期間中に22万6000ドル、トランプ氏当選直後にも「大統領就任式関連費用」として30万ドルという大金を寄付していたという。
 
マレー氏がこれだけの踏み込んだトランプ支持を決断した裏には、当然のことながら、政治的賭けと打算があったことはいうまでもない。
 
ニューヨーク・タイムズ紙が暴露したところによると、マレー氏は昨年3月、ホワイトハウスに招かれた際、トランプ大統領に3ページ半の「アクション・プラン」(行動計画)と題する秘密要求リストを提出、その中には、「温室効果ガス排出規制の撤廃」「石炭採掘安全基準の大幅緩和」「地球温暖化対策を念頭においた環境基準の撤廃」など、トランプ政権が実行に移すべき13項目が列挙されていた。(同紙2018年1月8日付)
 
注目されるのは、トランプ・ホワイトハウスはその後、この「アクション・プラン」に沿った環境規制緩和策を忠実に実現させてきたことだ。 
 
大統領はまず、秘密メモを示された直後の同年6月、他の大多数の先進諸国からの批判をよそに、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの離脱を発表した。
 
この発表に際しては、令嬢のイバンカ・トランプ氏らが反対したものの、最後は石炭、石油産業からの政治献金を受けてきた共和党上院議員22人の強硬意見に押し切られるかっこうになったという。
 
トランプ政権は続いて同年10月には、オバマ政権時代に地球温暖化対策の看板政策ともいわれ、一酸化炭素排出量を2030年までに2005年レベルより32%削減を義務付けた「クリーン・パワー・プラン」の廃止を発表した。

同政権がこれらを含め、2017年から2018年にかけて環境保護に逆行する規制撤廃または緩和のために打ち出した方策は、全部で80項目近くにも達している。
 
しかし、このようなトランプ政権による際立った肩入れにもかかわらず、“20世紀のお荷物産業”化しつつある石炭業界の現状と将来は、実に暗澹たるものがある。
 
全米炭鉱労組(UMWA)のデータによると、今世紀にはいり顕著に下降線をたどり始めたアメリカの石炭生産量は2016年には1978年以来、最低を記録、この間の電力会社などによる石炭需要も1984年以来、最低にまで落ち込んだ。失業者数も過去数年で3万人にも達し、採掘労働者数は全体で約5万1000人程度となっている。
 
ただ、2017年には、厳しい寒波襲来が続いたこともあって生産量は一時持ち直し、雇用も前年より8000人程度増加した。これを受けてトランプ大統領は今年1月の年頭教書の中で「石炭業界の復活」と高らかに謳いあげ、実際の数字を5倍近くも膨らませた上で「われわれは短期間のうちに4万5000人もの新たな雇用を炭鉱業界にもたらした」と豪語してみせた。
 
これに対し石炭業界の専門家は「この一時的な雇用と生産量の増加は、昨年の気候状況と天然ガス価格上昇にともなう海外からの需要増によるもので、トランプ政権による環境規制緩和とはほとんど関係ない」と冷ややかな反応を示している。
 
さらにトランプ政権にとって気がかりなのが、強力な組織力を持つUMWAが、2018年に入って共和党から民主党シフトの動きを見せていることだ。
 
ロイター通信によると、UMWAは11月中間選挙に向けて民主党議員候補への政治献金を2016年にくらべ20%近くも増やし、その額は全体の8割近い91万ドルにも達したという。
 
その理由について、同労組スポークスマンは、「全米各地で炭鉱閉鎖が続く中、残された炭鉱労働者たちにとっての最大関心事は、失業手当や退職年金に対し、どちらの政党が理解を示してくれるかという点だ。これまで共和党議会は炭鉱閉鎖にともなう救済措置に否定的だった」と説明している。

”レトロ・アメリカ”への偏重
最後まで大接戦となった2016年大統領選では、ペンシルバニアウェストバージニアオハイオ、ワイオミングなどの”炭鉱州”が、いずれもトランプ支持に回り、同大統領当選に決定的に重要なカギとなった。
 
21世紀に入ってからの米国地勢マップの推移を見ると、都会のサラリーマン、近郊居住者、女性、大卒若年層、マイノリティなど有権者層の民主党支持が拡大する一方、共和党の支持基盤は農鉱業従事者、閑村白人層など過去の伝統にしがみつく”レトロ・アメリカ”への偏重が目立ちつつある。

それだけに、2020年大統領選で再選を目指すトランプ氏としては今後、何としても石炭、石油などの化石燃料関連事業への肩入れを一層強化、白人保守層の支持つなぎとめに腐心せざるをなくなっている。【12月3日 WEDGE
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米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が北米5工場の操業停止計画を示したことについて、トランプ米大統領は11月27日、「GMへのすべての補助金カットを検討している」とツイッターに投稿して、怒りをあらわにしています。

石炭産業にしても、自動車産業にしても、トランプ大統領の“レトロ・アメリカ”への偏重は際立ったものがあります。

支持基盤対策というのはわかりますが、“レトロ・アメリカ”への偏重は時計の針を無理やり逆に回そうとするようにも思え、あまり有効な方策とは思えません。その点では、失業後をにらんだ石炭労組のほうがまだ合理的かも。

【開催国ポーランドも石炭使用継続を表明】
なお、石炭ということで言えば、「COP24」開催国ポーランドは石炭依存国です。

****開催国は石炭依存国****
今回のCOP24開催国ポーランドは、石炭への依存度が高く、電力の80%近くを化石燃料から発電している。さらに、寒い時期を中心に、質の悪い石炭が家庭で暖房として広く使われており、スモッグや呼吸器疾患の原因となっている。

加えて開催都市は、石炭採掘が盛んな地域にあり、EU最大の石炭企業の拠点がある。各国交渉担当者や一般参加者にとって、このことは心配の種になっている。

しかしポーランド政府は石炭の使用を続ける方針を表明し、同国南部のシレジアに新しい炭鉱を建設するため、来年投資する計画だと発表している。

こうした強気な取り組みを糾弾する声も上がっている。(後略)【12月3日 BBC
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