lonelylika’s diary

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ

アメリカ・トランプ大統領  改めて議論の対象となる“核攻撃を開始する大統領権限”


オバマ前大統領の2016年広島訪問時に、原爆慰霊碑の前に持ち込まれた“核のフットボール”)

子供でも銃所持・狩猟はOK
銃乱射事件が起きるたびに、銃規制論議が高まるのではなく、銃砲店の売り上げが伸びる・・・・というのが、アメリカ重社会の実態のようですが、子供用のライフルも販売されており、2013年には5歳の男児が2歳の妹を誤ってライフルで射殺した事件が話題になりました。女の子向けとしてピンク色のモデルも販売されているとか。

文化・歴史の違い、社会の現状の違い等々はあるのでしょうが、なんとも理解しがたいものがあります。

子供用ライフルが公然と販売されているぐらいですから、下記のような話は“ごく当たり前”なことかも。

****10歳未満の子どもの猟銃所持認める、米ウィスコンシン州****
米中西部ウィスコンシン州で11日、10歳未満の子どもに対して狩猟の際に銃を所持することを認める法律が施行された。
 
新法は同州のスコット・ウォーカー知事(共和党)が署名し、発効した。米国では今月5日にもテキサス州キリスト教会で銃乱射事件が発生し、銃犯罪をめぐる議論が再燃している。
 
多くの州は幼い子どもが大人の監督下で狩猟をすることを認めているが、シカやクマのような大型動物の狩猟はおよそ12歳以上に制限している。
 
ウィスコンシン州法は、これまで設けていた10歳という年齢規制を撤廃し、訓練を受けた大人が同伴していればすべての子どもが猟銃を所持できるようにした。
 
子どもは大人と銃を共有することが義務付けられている多くの州とは異なり、ウィスコンシン州の子どもは自分専用の銃を持つことができるだけでなく、大型の獲物の狩猟も可能になる。
 
全米ライフル協会(NRA)やウィスコンシン・ベア・ハンターズ・アソシエーションなど同法を支持する団体は、同法は狩猟の伝統を後世に伝えることを可能にするものだと主張している。
 
一方で反対派は、大人が同伴するとはいえ10歳未満の子どもは危険な武器を所持するには幼すぎると批判している。【11月15日 AFP】
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厳しい審査がある“核のフットボール”係将校 大統領はこうした審査を経ていないとの批判も
子供が銃を持つことには“おおらか”なアメリカ社会ですが、そんなアメリカでも「“あの人”に“核のボタン”を委ねるのはどうよ・・・・」という懸念はあるようです。

こうした懸念は大統領選挙戦の頃から、ヒラリー・クリントン氏などが指摘しています。

なお、実際はアメリカ大統領がボタンを押す訳ではなく、大統領が持っているのは「ビスケット」と呼ばれる発射コードを記したカードで、そばに付き添う将校が核攻撃を発動するのに必要な装置と情報が収められている「フットボール」の通称で知られるブリーフケースを所持しています。

****本当は存在しない「核のボタン」 米大統領の発射方法とは****
米大統領選の民主党候補に指名されたヒラリー・クリントン国務長官共和党候補の実業家ドナルド・トランプ氏に関し、核兵器を発射する権限を託すには不適格だと批判する。サンディエゴで行った演説では、「トランプ氏の指を核のボタンの近くに置いていいのか」と聴衆に問いかけた。これに対しトランプ氏は、最終手段としてしか核兵器を使うつもりはないと反論している。

ただ、実際には「核のボタン」は存在しない。
代わりに大統領は「ビスケット」と呼ばれる、核兵器の発射コードを記したカードを持つ。また米軍の将校が「フットボール」の通称で知られるブリーフケースを持っており、その中に核攻撃を発動するのに必要な装置と情報が収められている。(中略)

レーガン元大統領の政権下で3年間、5人の交代要員の1人としてブリーフケースを持ち歩いていたピート・メツガー氏は(中略)このケースを持ち歩く役目に選ばれる際、米国防総省シークレットサービス、米連邦捜査局FBI)による厳しい身元審査を受けた。

その一方、大統領の側ではこうした審査を経ていないとの批判がある。

また核兵器の発射を実行する軍当局者はペアで動くことを求められ、発射には両者の合意が必要となるが、大統領の行動に関してはこうした制約は課されていない。

軍縮管理協会のキングストン・ライフ氏は、核兵器使用の可否を決定する当たっては大統領が絶大な権限を持っていると指摘する。大統領の決断を阻止するためには部下が造反を起こすしかなく、その場合も2人以上が大統領の命令に逆らう必要がある。

ライフ氏も述べるように、こうした決定の重要性はかつてなく高まっている。米国は現在、約900発の核弾頭を配備しており、個々の核弾頭は広島や長崎を壊滅させた核兵器の10~20倍の威力を持っている。

ただメツガー氏の経験では、フットボールを持ち歩いた5人の将校と同様、大統領は核兵器発射の責任を非常に重く受け止めているという。

同氏は「大統領の決断の影響はグロテスクなまでに大きい。地球の姿を変え、人間や人類のあり方を一変させる可能性もある」と指摘。「職務に就いている間はその重要性について考えないようにしていると思う。だが、いざという来れば決断を下す用意はできている」と述べる。【2016年9月4日 CNN】
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“大統領は核兵器発射の責任を非常に重く受け止めている”・・・・もちろん、そうでしょう。そうでないと全世界が困ります。

ただ、「フットボール」を持ち歩く将校ほどには、決定権を有する大統領については“審査”がなされていないのも事実です。

トランプ大統領が渦中にある“ロシア疑惑”・・・・どのように関与したしているのか、関与していないのかは知りません。しかし、もし同様の“疑惑”がある人物であれば、「フットボール」係には任命されないでしょう。

当然、「フットボール」係には良好な精神状態も絶対に必要です。
一方、トランプ大統領については、かねてより“精神的にかなり問題があるのでは?”という見方があります。

****トランプに大統領の資格なし、有名精神科医27人が診断****
・・・・実は10月に入って米国では、精神科医27人が「トランプ大統領は極度の精神障害患者であり、大統領には不適格だ」と「診断」を下しているからだ。
 
ハーバード大学スタンフォード大学、NYU(ニューヨーク大学)など精神科医臨床心理士27人がトランプ氏の精神状態を徹底分析した結果である。
 
1人や2人の町医者が勝手に推測したのではない。全米でも最も権威ある精神科医27人がトランプ氏のこれまでの発言や行動を医学的に精査し、その研究結果を1冊の本にまとめたのだ。
 
タイトルは「The Dangerous Case of Donald Trump」(ドナルド・トランプの危険なケース)。副題は「27 Psychiartists and Mental Health Experts Assess A President」(27人の精神衛生専門家による大統領診断)。
 
第1章は「トランプ氏の症状」、第2章は「トランプ氏のジレンマ」、第3章は「病状がトランプ氏に与える影響」の3章からなる360ページの「診断書」だ。

極度のヘドニズム+政治権力志向=非社会化型行動障害
むろんトランプ氏にご足労願い、近代医学機器の整ったクリニックで診断した結果ではない。
 
方法は、これまでトランプ氏を実際に診断した主治医のカルテ(これが正確なものかどうかは誰も分からないのだが)、そして大統領選当時から大統領に就任し現在に至るまでの同氏の発言や行動(演説、記者会見、インタビュー、ツィッターなどすべての発言)を徹底的に精査した「間接診断」である。
 
精神科医27人が「診断」したトランプ氏の病状は以下の通りだ。

▽「トランプ氏の衝動的言動は抑えの効かない極度のヘドニズム(快楽主義)症状だ」(ハーバード大学医学部のフィリップ・ジムバーコ名誉教授)
▽「トランプ氏は病理学的ナルシズムと政治権力志向とが極端に混ざり合った症状に罹っている」(ハーバード大学医学部のクレグ・マルキン博士)
▽「トランプ氏が第三者を一切信頼しない症状は極度のパラノイアに罹っているためだ」(著名な作家、医学ジャーナリストのゲイル・シーリー氏)
▽「トランプ氏は明らかに非社会化型行動障害に罹っている」(著名な臨床精神科医、ランス・ドゥデス博士)
▽「悪性の人格障害がトランプ氏の日常生活で常態化している」(精神衛生分野での権威、ロバート・リフトン博士)
 
27人が一致してまとめた結論は、「トランプ氏はこれらの人格障害からくる種々の精神衛生上の欠陥から米国大統領の職務には適していない」という厳しいものだ。(後略)【10月23日 JB Press】
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個人のプライバシーの問題に関しては、これらの精神科医は「たとえ公人であろうと精神医が知り得た病状については公けにする社会的・モラル的責任がある」という立場にあるそうです。

“大統領選期間中から「トランプ大統領はどこかおかしい」というコンセンサスのようなものがすでに出来上がっている”【同上】なかにあっては、“今更”の感もあります。

トランプ大統領に関しては、好き嫌いがはっきり分かれますので、これら精神科医の“医学的判断”には、そうした“好き嫌い”が影響しているのかも。

トランプ大統領を高く評価する立場からは、“ああ見えて、実はトランプ大統領は非常に賢明で、冷静に計算している・・・”という評価もあるでしょう。

もちろん、そうかもしれません。“極度の精神障害”を装っているだけなのかも。
そうもしれませんが、間違いなく「フットボール」係には任命されないでしょう。

大統領による核攻撃命令が違法だと判断した場合の対応は?】
北朝鮮に対する軍事的選択も取り沙汰されるなかで、そんな“「フットボール」係に任命できない”ような人物に核の決定を委ねるのは・・・という疑念が、現実の問題として改めて議会で論議されています。

****米の核攻撃、大統領権限めぐり上院で議論****
ドナルド・トランプ米大統領北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が北朝鮮の核・ミサイル実験を機に激しい言葉の応酬を繰り広げるなど緊張が高まる中、米上院外交委員会は14日、核攻撃を開始する大統領権限の制限について公聴会を開催した。
 
反トランプの急先鋒に立ってきた共和党議員を中心とする上院議員らは、大統領が米国の敵国に対する核の先制攻撃を決定すると想定し、公聴会に出席した専門家らに意見を求めた。

民主党のクリス・マーフィー上院議員は「米国の大統領は不安定で気まぐれだ。意思決定プロセスも無謀で、米国の安全保障上の国益から大きく逸脱した核攻撃を命じるかもしれない」と述べた。

公聴会に出席した議員や専門家らは、米国が核攻撃を受けるか、攻撃が差し迫った場合には、合衆国憲法に基づき大統領には国を守る完全な権限があることを確認した。

米国では大統領だけが「核のボタン」を押すことができる。
ボブ・コーカー委員長は「(大統領の)命令が下され、確認されれば、それを覆すことはできない」と語った。
 
論点の一つとして取り上げられたのが「差し迫った」状況の定義だ。北朝鮮がミサイルを発射台に載せれば差し迫った状況と言えるかもしれないが、その他の場合は解釈が不明確で、厳格な定義はないとの意見も出された。
 
2011~13年まで米戦略軍を率いたロバート・ケーラー氏は、基本的な軍の指針に言及し、「軍は合法的な命令に従う義務がある。しかし、違法な命令には従う義務はない」と述べた。
 
合法的な命令についてケーラー氏は、軍の指針である「必然性」と「均整」も核攻撃の決断に適用されるとしたが、大統領による核攻撃命令が違法だと判断した場合にどのような対応を取るか問われると、「正確には分からない」「人的要因も影響する」と述べるにとどまり、仮定の質問への回答にちゅうちょする場面もあった。
 
バラク・オバマ政権時代に国防次官を務めていたブライアン・マケオン氏は、司令官が大統領命令を違法だと判断した場合、大統領は司令官はもとより国防長官も交代させることが可能だと述べた。しかし「憲法の危機を招く」とも警告した。【11月15日 AFP】
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コーカー委員長は、与党・共和党の重鎮ながら、トランプ氏を「第三次世界大戦への道を歩んでいる」と激しく批判する人物のようです。

また、“核使用の権限をめぐっては、ウォーターゲート事件で退任間際のニクソン政権時代、シュレシンジャー国防長官が「大統領から軍事行動の命令が出たら、実行前に必ず私に連絡するように」と、軍制服組トップに命令した逸話がある”【11月15日 毎日】とか。

「違法な命令には従う義務はない」とは言いつつも、現実問題としては制服組の判断で大統領命令を拒否するのは難しいでしょう。

****核攻撃にはトランプの一存と5分があればいい****
<トランプのような気性の男が大量虐殺の権限を持つのを懸念した米議会は、核使用の大統領権限を40年ぶりに見直そうとしている>

金正恩の挑発に乗ったドナルド・トランプ米大統領が命じれば、たった5分で核兵器が発射される──。

短気で軽はずみな決断をしがちなトランプが、うっかり核のボタンを押してしまうシナリオに、米議会が危機感を募らせている。核攻撃には議会承認を必要とする法案の本格的な審議に入った。40年ぶりの見直しだ。

米上院外交委員会は11月14日、「核兵器を使用する大統領権限」について公聴会を開催した。上下院を通じ、外交委員会が大統領権限を議論するのは1976年以来だ。

この議論は長年にわたり先延ばしにされてきたと、米プリンストン大学の研究者で核兵器の発射手順の専門家であるブルース・ブレアは言う。

「今の法律は、世界を破滅させる神のような権限を1人の人間に委ねている。おかしいと気づくべきだ」と、ブレアは本誌に語った。

核攻撃を命令するトランプの権限を制限しようとする動きは、今回が初めてではない。米民主党エド・マーキーとテッド・リュー両上院議員は今年1月、議会承認なしにトランプが核を先制使用するのを禁ずる法案を提出した。

ブレアも、トランプの資質や判断力の欠如を懸念する。「トランプは周囲の反対を押し切っても誤った判断をする。そうなればおしまいだ」

核使用へのハードルは低い
今の手順では、トランプは高官の助言や注意メモすらなしにトランプは核のボタンを押すことができる。

核攻撃を実行すると決断すれば、ホワイトハウスの地下にある核シェルター、米大統領危機管理センター(PEOC)に入り、米国防総省の作戦司令室と作戦会議を開始する。だがトランプには部下の助言を聞く義務がなく、その場にすべての関係閣僚が出席する保証すらない。

連絡手段が古いせいで、演習であれ現実であれ国防長官と国務長官が会議に参加できた試しは一度もないと、かつて大陸間弾道ミサイルICBM)の発射担当将校を務めたブレアは言う。

いざというときトランプは、パスコードを使って正式に核ミサイル発射を命令する。トランプの命令から核ミサイル発射までの所要時間は、早ければ5分。北朝鮮への核攻撃で使われる可能性が高い原子力潜水艦から発射する場合は15分だ。

誰が大統領であれ、途方もない責任だ。
トランプの大統領就任以来、核による大量虐殺へのハードルがいかに低いかを知るブレアのような専門家は、心配で眠れない夜を過ごしているという。ブレアは言う。「1日中不安で、夜2杯目の酒を飲むまで休まらない」【11月15日 Newseek】
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自分たちが選んだ大統領の決定で核戦争に引きずりこまれるのは自業自得ですが、そうなれば被害はアメリカだけでなく、関係国・周辺国、ひいては全世界に影響が及びます。

なお、議論がオープンになっていること、最大の核保有国であることから、アメリカ・トランプ大統領を取り上げましたが、他の核保有国の事情も似たり寄ったりでしょう。

特に、政府の権限が軍に及ばないパキスタンなどは、核の使用についても軍の判断が優先するのでは・・・と推察されます。パキスタンは、もう一つの核保有国インドと不断にトラブルを抱えていますので、危険性も小さくありません。

“(トランプ)大統領は核兵器発射の責任を非常に重く受け止めている”ことを疑う訳ではありませんが、差し迫った危機にあって冷静な判断がなされるか疑問を捨てきれないのが困ったところです。

もっと言えば、差し迫った危機にあって冷静な判断が難しいこと、誰しも判断を誤ることがあるのは当然のことですが、ほかの者ではあなく“あの人”に任せていて、こんな結果になった・・・というとき、“悔い”が残るでしょう。